ご挨拶

連合代表 多田内 修(九州大学特任教授・名誉教授)

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日本昆虫科学連合は2010年7月に発足し、初代代表の山下興亜先生、第2代代表の藤崎憲治先生のもと、昆虫科学の発展と社会的貢献という基本趣旨のもと、16の学協会が参加して活動が進められて参りました。 私はこの度、本連合の第3代代表に選出されました。 2年間微力ながら力を尽くして参りたいと思っております。

今期の本連合の活動としましては、第1に2016年にアメリカで開催されます国際昆虫学会議(ICE)で、日本昆虫科学連合が主催してサテライトシンポジウムを開催することが前執行部で決まりました。 私どもはそれを受け、同シンポジウムのテーマと講演者をできるだけ早く決定し、軌道に乗せ準備を進めて参りたいと考えております。 日本の昆虫学の現状を世界に伝えるよい機会になるのではないかと考えます。 次に、学術会議応用昆虫学分科会が現在提出中の提言「昆虫分類・多様性研究の飛躍的な拡充と基盤整備の必要性」が発出され次第、本連合としましても、この提言に沿った取り組みを進めていく必要があると考えています。 昆虫分類・多様性研究は大学研究室等研究機関の縮小が将来的に予想され、危機的な状況にあります。 提言では「諸外国に比べて遅れている昆虫標本の大規模収集、ならびに画像情報とDNA情報のデータベースの拡充を、わが国も早期に実現すべきであり、それらは、昆虫多様性の研究のためだけに必要なのではなく、わが国がグローバル化時代の農林畜産業で優位を築くためにも、また環境変動に伴う昆虫媒介性のヒト感染症の拡大防止や、国内外の生物多様性保全の責任を果たすためにも不可欠である」としています。 さらに、「昆虫科学のコミュニティーでは、標本や多様性情報の整備の必要性は理解されていても、分野横断的な基盤整備に取り組む姿勢がまだ弱い。 研究拠点を中心として、省庁や学会を超えた国内組織間の研究・教育のネットワークを研究者自身が構築し、一致団結して標本収集と情報整備に取り組むとともに、海外の関連研究機関・組織との連携を強化すべきである」としています。 この国内組織間の研究・教育のネットワークを構築する上で本連合はもっとも適した組織であろうと考えます。 参加学協会の交流を推進し、ホームページやメール等を通じて横のつながりを活発にし、参加学協会のご意見を伺いながら組織運営を進めて参りたいと思います。 第3点としまして、前執行部では過去のシンポジウムの講演内容をわかりやすい昆虫科学読本としてまとめ、2014年中に出版する計画ですが、私ども執行部でも2年をメドに同様な書籍の出版を考えています。 第4点としまして、毎年開催のシンポジウムを継続開催し、出版物とともに、昆虫学の普及に貢献したいと思います。

日本昆虫科学連合は組織は出来上がりましたが、今後さらなる活動が期待されています。 将来にわたって果たすべき役割にはきわめて大きなものがあります。 学術会議や関連の連合体とも連携しながら、それらを着実に果たしていきたいと思っています。 どうぞよろしくご指導とご支援のほどをお願いいたします。