発足にあたり

連合代表 山下 興亜(中部大学学長)

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 平成22年7月24日、日本学術会議会議室において、わが国の昆虫学関係の14学協会の参加を得て、日本昆虫科学連合の設立総会を開催し、日本昆虫科学連合は呱々の声を上げることができました。私はこの日本昆虫科学連合の初代の代表に選出されました。設立の趣旨を踏まえ、わが国の昆虫科学を大所高所に立って振興すべく、非力ではありますが役職を果たす所存であります。どうぞよろしくご指導とご支援のほどをお願いいたします。そして、この記念すべき日本昆虫科学連合の設立を皆さんと共に祝いたいと存じます。
 昆虫科学関係の学会が緩やかな連携を組み、昆虫に関わる多様な社会的な課題をオールジャパンの立場から解決することの必要性が、数年前から昆虫関係学会のみならず他の学協会や団体から求められてきました。また、日本学術会議は第18期からの改革を通して、わが国の学術体制や学協会のあり方を将来に向けて改革し、これまでの専門分化という学術研究スタイルを補強しつつも、社会のための学術研究としての役割を拡大強化し、これからの知識基盤社会の発展を支える学術活動を目指してきました。
 昆虫領域における学術活動も例外ではなく、昆虫科学の新たな研究分野と研究体制、研究論を常に開拓し続ける学術としての独自性を追求すると同時に、社会のための学術として社会的な多くの課題に対応できる学術力を伸ばすことで、社会から期待され、支援される昆虫科学を構築しなければならない状況にあります。
 このように学術が社会から熱く期待され求められている時代は稀有であり、今日の状況を学術の将来に生かさないすべはないでしょう。このための学術力は、多様な視点や価値観を持った研究者からなる研究者コミュニティーを土壌にして育て実らせなければなりません。日本昆虫科学連合の設立は、将に、昆虫科学研究者の一大コミュニティーの誕生であります。すべてがこれからであり、可能性の追求を合言葉にして、新生日本昆虫科学連合を育てていこうではありませんか。